東北新幹線 やまびこ

東北新幹線やまびこ号は列車によって全然速さが違うのはなぜ?

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やまびこ号

 

 今回は東北新幹線東京仙台間のやまびこ号について運転パターン(停車駅パターン)について定期列車を中心に解説。(仙台以北のやまびこ号は一部の臨時列車を除きすべて各駅停車のため、ほとんど所要時間が変わらないので今回は割愛。)

 

 やまびこ号は東京~仙台間、東京~盛岡で走っています。このうち東京仙台間に注目した場合、これらのやまびこは主に3種類に大別される。

 

 A やまびこ1○○号

100番台のやまびこは仙台どまりで、東京福島間でつばさ号と連結をし、福島仙台間では単独で走行します。基本停車パターンは、東京、上野、大宮、宇都宮、郡山、福島、白石蔵王、仙台。

  併結するつばさ号の速達性を確保するため、東京福島間では比較的利用者の多い駅のみに停車。そのため、東京福島間は速い。福島で切り離しを行った後は白石蔵王、仙台と各駅に止まる。なぜ白石蔵王に止まるのかは後述。

 

B やまびこ2○○号

200番台のやまびこは仙台どまり。鈍足やまびこが多い。基本停車パターンは東京、上野、大宮、小山、宇都宮、那須塩原新白河、郡山、福島、仙台。白石蔵王を除く各駅に停車するものが多い。

 この電車は全区間で単独運転を行うため、首都圏と、郡山以南を移動する人向けに停車駅が設定されている。そのため、やまびこの中でも短距離利用が多い便である。

 

C やまびこ4○号、5○号、6○号

2桁の番号のついたやまびこ号は東京盛岡間での運行である。基本停車パターンは、東京、上野、大宮、宇都宮、郡山、福島、仙台と、仙台から盛岡の各駅。

 この電車はやまびこの中では超距離を走る。そのため、仙台盛岡間のはやぶさの止まらない各駅から首都圏に移動する人と、東京仙台間の比較的利用の多い駅から首都圏に行く人向けに停車駅が設定されている。そのため、東京仙台間は速達運転を行っており、後続のはやぶさにも抜かれないものが多い。さらに、100番台のやまびこのように福島で増解決をすることなくすぐに発車するので、これらの3種類のやまびこの中では最も速い。

 

 

 東北新幹線のやまびこ号はこのように停車駅ごとに大きく分けて3種類存在する。なぜこのような3種類の体系となっているのか。

 

 これは、東海道新幹線などとは違い、東北新幹線の乗客の目的地(出発地)がほとんど首都圏であるからだ。東京、横浜、名古屋、京都、大阪といった人口が巨大な大都市をいくつも抱える東海道新幹線とは違い、東北新幹線の大宮以北に、利用者の多い駅は仙台くらいしかない。そのため、路線全体としてみれば、首都圏を発車した東北新幹線の乗客は、途中駅で降りる一方で、東京から離れるほど需要がどんどん小さくなっていく。

 

 東北新幹線の各駅相互間の利用と、新幹線各駅から首都圏への移動割合を考えた場合、後者が圧倒的なのである。そのため、東北新幹線には沿線各駅から東京、上野、大宮にいかに早く到着させるかが重要なのである。

 

 この視点に立てば、3種類のやまびこがなぜそのような停車駅になっているか納得がいくだろう。パターンAのやまびこは福島以遠の山形新幹線各駅と首都圏、Bnoやまびこは郡山以南と首都圏、Cのやまびこは古川~新花巻各駅と首都圏を早く結ぶようにできている。

 

 ここで、白石蔵王にとまるやまびこについても考察したい。よく、Bのやまびこは各駅停車なのに白石蔵王だけ通過とかなぜ?ということが言われる。しかし、きわめて合理的な停車駅設定なのである。Bのやまびこのみが停車する、(A,Cは通過)、小山、那須塩原新白河の3駅に比べて、白石蔵王から首都圏までの距離はかなり長い。

 

 そのため、遠距離である白石蔵王から首都圏への所要時間短縮を図るために、東京福島間で速いやまびこ(Aパターン)を停車させているのである。パターンA,Bのやまびこの間で遠近分離が行われているのだ。ちなみに、山形新幹線と切り離した後なので、白石蔵王に止まっても、山形新幹線の乗客の所要時間が長くなることはない。

 

このように、東北新幹線では、いかに首都圏との時間短縮を図るか、という点が重要視されており、その目的にかなった合理的な停車駅が設定されている。

 

 タイトルに戻るが、東京仙台間でやまびこによって大きく所要時間が違うのはしっかりと理由があった。東北新幹線の停車駅は列車によって停車駅が異なり、わかりにくいという声もよく聞こえるが、それは乗客の利便を考えての結果なのであった。

 

    次回ははやぶさ号の停車駅パターンについても分析をしたい。