東北新幹線 上野通過

東北新幹線上野通過

 

 東北新幹線には上野駅を通過する列車が何本かあります。停車駅がランダムで規則もなくわかりづらい、と言われる東北新幹線ですが、きちんとダイヤを眺めていくと、よく考えられた停車駅になっていることがわかります。今回は、上野駅を通過する新幹線に共通することについて考察していきましょう。

 

1 上野駅を通過する東北新幹線

  はやぶさ (下り)5、11、39、41号

       (上り)2、4、6、38号

  こまち  (下り)39号

       (上り)6号

  やまびこ (下り)131号

       (上り)124号

  つばさ  (下り)131号

       (上り)124号

 

 

2 なぜ、上野を通過する新幹線が設定されているのか?

 これは、JR東日本が秋田、新函館北斗、山形などの主要駅から東京駅までの所要時間を1分でも短くして、最速○○分という広告を立てるためです。

 

東北新幹線は(ここではミニ新幹線山形新幹線秋田新幹線も含みます)各駅からの旅客需要が首都圏方面、つまり大宮、上野、東京に集中しています。そして、この3駅の中でも最も利用者が多い東京駅への所要時間をわずかでも短縮するために、最速列車に限り、上野駅を通過しているのです。

 

 

 基本的に大宮、上野、東京には、はやぶさ号も含めた最速達種別の列車も全列車停車となっています。そのため、たとえば、やまびこ・つばさ131号のように、はさぶさも止まる上野駅を通過すると、一見、「あれ?やまびこなのに上野を通過している??」と、下剋上のようなことが起こっているかのように見えます。

 しかし、このやまびこは、つばさと併結をしているため、併結相手のつばさの山形への所要時間を短縮するために通過しているのです。つまり、このやまびこ131号は上野駅を通過しているのですが、このやまびこの所要時間を短縮したいというより、併結するつばさのために仕方なしに上野を通過しているのです。

 

 同様に、はやぶさ・こまち6、39号もこまち号の秋田(大曲)への所要時間を短縮するために、はやぶさが併結するこまちのために上野を通過しているのです。こまち6、39号は、秋田新幹線区間では、盛岡、大曲、秋田にしか止まりません。一方、はやぶさ6、39号は盛岡以北で単独走行する区間においては、停車駅が多くなっています。このことからも、はやぶさ6、39号ははやぶさ自身の所要時間を短縮のために上野を通過しているわけではないことがわかります。

 

 また、全区間単独運転(東京~新函館北斗間)をするはやぶさ5,11、38号は、東京~新函館北斗間の最速列車となっています。こちらは併結相手の列車はいないので、はやぶさ自身の所要時間短縮をねらって上野を通過しています。

 

 ちなみに、上野を通過するならついでに大宮も通過してしまえばいいのに、と思われる方もいると思います。しかし、大宮は東京に次いで利用者が多い(上野駅より新幹線利用者がかなり多い)ことや、東京の渋谷、新宿、池袋といったような東京の西側に行く人は湘南新宿ライン埼京線で大宮まで行き、大宮から東北新幹線に乗ったほうが、早くて安くて便利なことが多いです。実際に東北新幹線の上りの大宮駅到着前には、渋谷、新宿、池袋方面に向かう人のために、湘南新宿ライン埼京線の案内がされることがあります。

 

このことからも、東京の西側に行く人は東京駅で乗り換えて西側に行くのではなく、新幹線を大宮で降りて湘南新宿ライン埼京線で行く人もおおいことがわかります。そのため、大宮駅は大宮駅周辺に住む人だけではなく、東京の西側からくる人の利用も多く、広範囲から利用客を集める駅となっています。

そのため、大宮は利便性を考えての停車としています。

 

 

このように、各駅からの旅客需要が東京方面に集中している、という特徴をよくとらえたダイヤになっていると考えます。